寺院の耐震改修はどの工法がベストか・・・・伝統工法を考慮した壁工法か、
色々検討した結果、
限界耐力計算に基づく耐震金物工法に
落ち着きました。
後期元文(1、541年)に建立された本寺院は、本堂焼失後、
安永9年(1,780年)に再建され、
240余年が経過した145坪の由緒あるお寺です。

耐震改修後の本堂です。
腰部は
柱と土台部を耐震金物で繋ぎ、仕上げ材は桧本実板で
覆っています。

耐震壁の要をなす
土壁パネルは、漆喰仕上げです。
余談ですが本堂の柱等は、
すべてツガ材で架構されていました。
当時の山々が、いかに豊だったのか推されますね。
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耐震金物は20㎝、30㎝と使い分け、床下・小屋裏に
約100枚強、使用しています。
新たに桧150角材を架構し、
土台をかき込んで納めています。
丸太形状の土台が多い中、この辺りが耐震強度を
確保できるかどうかのポイント。

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土台廻りへ耐震金物を取付たところ。
土台は
裏面からホゾにより打ち込んであります。

土壁パネル・木製建具・土台廻りへ
耐震金物を取り付けて
いるところです。
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内部土壁パネルに、
下塗を施工しているところです。

小屋裏の小舞下地のママのところは
左官材で補強しています。
木製建具も取り付き、腰部も
桧板本実板張も終了し
完成間近かです。
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建具も新規に入れ替え、土壁パネルの漆喰仕上げも
完成した内観風景です。

耐震改修した南面風景です。
新規に架構した5寸角の土台が、耐震面で効果的で
力強い雰囲気を、醸し出しています。